2023/03/25 10:39

初めましてコマスピの中の人です。

早いもので2月27日に酒販免許を頂いてから1ヶ月が経とうとしています。

酒販免許の取得も、ウイスキーの輸入に不可欠な通関や食品検疫の手続きも、試行錯誤しながら全て中の人一人で行なってまいりましたので、ここしばらくで学んだことはとても多かったです。
お付き合い頂いた税務署の酒類専門官の方、現在進行形でお付き合い頂いている川崎税関や川崎検疫所の方には感謝しかありません。

自分が飲んでみたいと思う、日本に正規輸入されていないウイスキーを海外から取り寄せて、「これ面白そうだよね」とおっしゃってくださるバーにボトルをお納めしたり、そのバーで飲んで気に入ってくださった方にボトルをご購入いただく、というのがコマスピが目指しているところなのですが、それが事前に予想していたよりはるかに難しいことを改めて思い知らされています。

そもそも「これはよさそうだぞ」というボトルを見つけることがまずとても難しいのです。そして仮にそれが見つかったとしても、商業ベースに乗るかたちで日本まで引っ張ってこられるか、という次の問題が立ちはだかります。

「海外での評判もいいしこれは面白そうだ」というボトルが必ずしも日本人の好みに合うとは限らず(特にシェリー系)、サンプルもいただけないためまず自腹で購入するしかないのですが、高額ボトルを買って外してしまったら目も当てられません。

せっかく「当たり」を見つけたとしても、そういったボトルは先に現地で評判になっていることが多いため、卸の在庫がなかったり、あっても数を確保することができなかったりします。すでにボトルをお納めしたバーで飲んでいただいて「これおいしいよね」とSNSで拡散していただいても、そのボトルを個人輸入することも当然可能なので、それを見て必ずコマスピでご購入いただく必要もありません。

ハズレを引いた時のコスト負担のリスクとリターンを考えると、このビジネスモデルってなかなかしんどいな、と改めて感じています。

ですが、よくよく考えてみると、ちゃんとしたモルトバーの経営者の方々はそのリスクをずっと取ってこられているのです(今さら言うな、と怒られそうですが(笑))。

お店で独自の仕入れでいいボトルを見つけてご提供されても、現行のボトルであればそのボトルを日本で、もしくは海外から個人が入手することは普通に可能です。いいボトルを見つける作業にどれだけ時間と労力をかけたとしても、SNS時代ですのでその情報が拡散するのは一瞬です。それを見て店に来てくれるお客さんだけに情報が届けばいいのですが、フリーライダーにも当然情報は届きます。たくさんボトルを仕入れれば、いくら目利き力があってもハズレを引くことも一定の確率であるはずですが、そのコストはバー(もしくはバーのお客さん)が負担することになり、フリーライダーは文字通りそのコストを負担せずフリーライドします。

かといってテイスティングができて確実にいいと思ったものだけ仕入れていると、他のバーと変わらない品揃えになってしまい差別化が難しくなります。

そのため、名店と言われるモルトバーでは「スペックからある程度どんな香味なのかをかなり精度高く予想し、値段も加味した上で売りやすいかどうか判断する」という作業をずっと長い間やってこられているわけです。

さらにそれをすぐにお客様に提供して売上として回収するだけでなく、「これは10年後にはこのように変化して良くなっていそうだ」というところまで予測し、長い期間を経て自分の手でオールドボトルにしてからご提供されているところもあります。

そんな店では、「○○さん(バーテンダーの名前)がすすめてくださるんだったら間違いない」といっておすすめいただいたものを飲むお客さんがたくさんいます。コマスピの中の人もそんな客の一人です。

簡単ではないでしょうが、コマスピも「コマスピで売っているものだったら間違いがないはずだ」と言っていただけるように精進してまいりたいと思っています。

そんな中で先日、TwitterのDMにメッセージをいただきました。

本当にありがたいことです。また、Twitterにいただいたコメントもとても励みになっています。



手前味噌ではございますが、こう言っていただける皆様の顔を思い浮かべながら、少しでも付加価値がつけられるよう頑張ってやっていこうと改めて思いました。

今後もよろしくお願いいたします。